元いじめっ子の懺悔ブログ

元いじめっ子が過去の出来事を、面白おかしく懺悔するブログです

第6話"相撲大会"事件

この話は今まで紹介した
 
いじめっ子VSいじめられっ子
 
の話ではなく
 
いじめっ子同士の抗争
 
というか、対決話をご紹介させていただきます。
 

中学時代の話
 
本能で生きてきた小学校時代も終わり
こんな私にも、ある程度の理性が備わり始めてきた頃です。
 
当時、田舎の学校だったこともあり
人気のないマイナー競技は、野球部やバスケ部などから
 
"選抜"
 
で、大会にでることが通例でした。
 
元々身体が大きい方で、幼少期からのいじめ行動による
トレーニングの成果もでていた私は、中学生にもなると
立派?な"スポーツマン"になっていました。
 
中学時代はバスケ部に所属していましたが
上記の通り、選抜選手として陸上や
相撲の大会に一年生の時から出場していました。
 
まずは地区大会です。
 
田舎なので、せいぜい4校くらいだったでしょうか。
各校の特徴は以下。

米中学(私の中学です。)
 坊主学校
 スポーツは結構強い
 みんな仲良し

海北中学
 ヤンキー校
 長髪OK
 リーゼントがいっぱい
 伝説のヤンキーがいる

穴吐中学
 坊主学校
 KINGオブ田舎(田舎には田舎のヒエラルキーがあるんです。。。)
 生徒はみんな純朴

美海中学
 印象無し

はい、今回の対決の相手となるのは勿論
ヤンキー校のリーゼント君です。

まずは中学一年の時の相撲大会から。
 
私の通っていた米中学は、説明の通りみんな仲良し学校でしたので
番長なんてものはなかったのですが、そこはさすがヤンキー校
ピッカピカの一年生にも、しっかり
 
"番長"
 
がいたのです。
(男塾でいうところの"一号生筆頭"です。)
 
そいつは、一年にしてすでに立派なリーゼント頭で
部活に打ち込むようなやつではなかったと思いますが
おそらく、先生に
 
「お前の腕っぷしを他校の奴らにも見せつけてやれ!」
 
なんて口車にのせられ出場したのでしょう。
単細胞な彼は、他校の出場選手の前を肩で風をきりながら歩き
一人ひとりにメンチをきりながら(にらみながら)地区制覇の野望に燃えて登場です。
 
そんな彼とは別のブロックだった私は順調に勝ち進みます。
同じブロックにも海北中学の子が一人いました。
ヤンキー校にしては大人しそうな"おぼっちゃん"て感じの子でした。
土俵にあがりお互いが向き合うのですが、その子は私と目が合うと
 
(びくっ!)
 
としてすぐに目をそらすような子です。
闘争心(狂った性格)も身体能力(いじめで得た筋肉)も
その子より秀でていた私は難なく勝利をものにします。
 
そして、いよいよ決勝トーナメントです。
 
一号生筆頭のリーゼント君との対戦は準決勝の舞台です。
彼は土俵にあがってくるときもしっかり風を切っています。(肩で)
そして互いが土俵上で向き合います。すると、、、
 
「あ゛ぁ゛っ!!?」
 
という声が聞こえてきそうな位の表情で私を見つめます。(にらみます)
さすが、判を押したような、わかりやすいキャラクター。

まずは私の闘争心を削り取る作戦でしょうか。
ですが、私も"いじめの英才教育"を受けてきた猛者。
互いが狩る者。彼の威嚇に何だか変にテンションがあがってきました。

さあ、お互い理想的な精神状態でいよいよ立ち合い!
はっけよ~い、のこった!!

ドゴッ!!

ぶつかる頭と頭。
組み合ってみれば、相手の力量は大体わかります。
 
(おっ!?こいつめっちゃ力強いやんっ!!)

そこはお互い暴力を生業としてきた者同士。
年齢も同じとあって、力も拮抗していました。
 
さすがヤンキー校で番長まで上り詰めた者の実力でしょうか。
私は土俵際に追い込まれます。
最後、私は苦し紛れのうっちゃりをかけましたが
相手優位の体勢のまま、お互いが土俵外に転がり落ちました。
私は

(負けたっ!!)

と思いましたが、なんと軍配は私にあがっていました。
彼の足が先に出ていたのです。

その後、大一番を終えて一息ついている私の方へリーゼント君がやってきました。
 
「あとで、校舎裏まで来い。」
 
なんていうかと思っていたら
 
「俺に勝ったんやから、絶対優勝せえよ!」
 
と、なんともスポーツマンのような爽やかな笑顔で
一言いうと颯爽と立ち去っていきました。
(やっぱりスポーツはいいですね。)

なお、その後の決勝では海北中学のスポーツマン(身長1m90近く)にあっさり負けましたが。。。
 
その後、2年の時を経ていよいよ中学3年生最後の相撲大会が始まりました。
私はその時も順調に勝ち進み、決勝トーナメントで彼と衝撃の再開を果たします。
 
 
そう、その彼とは、、、
 

"おぼっちゃん"です。
 

中学一年の時、相手とにらみ合うこともできなかった、大人しそうな彼。
そんな彼も今では立派な

"リーゼント君"

になっていました。
 
"高校デビュー"や転校を機に"今日からツッパリ"はあると思いますが
彼はヤンキー中学在学中に立派な"ツッパリ君"に昇格していたのです。
 
当時の面影はなく、リーゼントもばっちり決まっていて
私に向ける眼光はとても鋭いものになっていました。
 
なぜか、息子の成長をみて目を細めて喜ぶ親のような心境になっていた私でしたが
そこは"生まれつき戦闘民族"である私がしっかりと"越えられない壁"を教えてあげようと決意しました。
 
行司の
 
「のこった!」
 
の掛け声と同時に一気に土俵際まで追い込みます。
 
当時の彼なら、早々に勝負を諦め土俵を割っていたでしょうが
リーゼント君に進化しただけあって、なかなか土俵を割りません。
もろ差しの状態で、彼が粘り続けます。
 
しかし、元来の肉食動物ではなかった彼は、修羅場の数も少なかったのか危機管理ができていません。
私相手にその状態で粘ることは自殺行為だったのです。
埒があかない状況に、いい加減しびれを切らした私は
 
(もう、相手がどうなってもいいや)

と、その体勢のまま相手もろとも土俵外に倒れこみます。
そして、相手の胸に私の全体重が伸し掛かりました。
 

ぐえっ!!!
 

と一言うめき声をあげた後、呼吸困難に陥ったのか仰向けの状態で悶絶しています。
私は、彼のそんな状態を意に介さず、踵を返し手刀を切って土俵をおりました。
 
彼はその後もしばらく倒れこんでいました。
先生やコーチが彼を介抱しています。
そして、いつまでたっても起き上がれない彼は
タンカで運ばれて行きました。
 
 
 
~結論~
天然のいじめっ子同士の戦いからは友情が生まれる(場合がある)
天然と人工モノの戦いからは悲惨な結末しか訪れない

一見同じような部類に見えて、中身が全然違うことがわかります。
姿形(髪形や服装)や言動で、見た目上"ツッパリ君"になれたとしても
中身まで"ツッパリ君"にはなれなかった人の一例でした。
 
 
後日談として
彼は私の数少ない友人"クボケン"と同じ水産高校に進学し
当時の話をこう語っていたようです。
 
「あれは死ぬかと思った。・・・お前の友だちやったんか!」
「もう、あんまりいきがるんやめるわ。」
 
と。
 
あの一件でこりたのでしょう、早々に戦いの螺旋(修羅道)から降りたようです。

元来、相手より力が上か下か、敵か味方かだけで
生きてきた者は、なかなか修羅道から抜け出せないと思います。
性根に染み込んだ価値観や考え方はそうそう変えられない。
いじめる側は、その生きざまを続ける限り、いずれ報いを受ける。
また、抜け出そうと思っても抜け出せない苦悩に永年、悩まされる。
 
私自身、戦いの螺旋を降りたつもりですが、今でも無意識のうちに
相手に対する敵対心などが言動の端々にでてしまっています。
(無意識に戦いを求めている?)
おぼっちゃんのように、その精神が性根に染み込む前に抜け出せたとしたら
本当、幸せだと思います。
 
この記事を書きながらそう感じました。
 
終盤、ぐだぐだになりましたが
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
 
白鵬、一年振りの全勝優勝おめでとう!!